純粋さは不可逆である
このご時世、色んなバンドが、特にバンプとかミスチルとかそういう邦楽における一時代を築きつつあるバンドが過去のMVを一気に公開している。
家にいる時間が多い今、ビジネス的にもきっと正解なんだろうと思う。
高校3年生からアコースティックギターを、大学に進学してコピーバンドサークルに入ってからはエレキギターも持って、いったんプレイヤーになると、音楽を純粋にかっこいいとか美しいとか思えなくなってきている。
このフレーズは難しそうとか簡単とか、この高音は歌いづらそうとか、殆どが自分が演奏する立場で考えてしまう。
これって僕の中で大事件で、だってそれは音楽の本質である音を楽しむことに反しているように思うから。
それがとても悲しくて、でもいったん知ってしまうと知らなかった頃には絶対に戻れないから、それをわかって尚更悲しくなる。
だから僕は一度プレイヤーに振り切って仕舞えばいいのかなと思う。
僕はまだそういう自分にしか書けない曲を持っていないから。
それがあれば安心してかっこいいと思えるのかも。
とても傲慢なんだろうけど、でもそういうのは大事だ。
一日無為に過ごすのは億劫なので、苦しくても曲を書きたい。
あくまで楽しむためにね。